『せっかく熱帯魚を飼うなら色々な種類を飼ってみたい』
色々な種類の熱帯魚を一緒の水槽で飼育することを混泳(こんえい)と言います。
他のペットと異なり、たくさんの種類を一度に気軽に飼えるのはアクアリウム独自の魅力です。
できることなら、色々な熱帯魚を混泳させてみたいですよね。
ご家庭で小さな水族館のような水槽があると、家族や友人にちょっと見せてみたくなります。
しかし、混泳に失敗してしまうと喧嘩やいじめなど、見ても楽しくない水槽になってしまいます。
残念ながら混泳に100%の成功はありません。
なぜなら、どんな生き物であっても1匹ずつに性格や特徴があり、『この種類なら絶対混泳しても大丈夫』とは言い切れないからです。
心配になってしまうようなことを言ってしまいましたが、成功させる確率をグンとあげるための秘訣があるんです。
秘訣だけなら簡単に読めてしまいますのでぜひ一度ご覧ください。
この記事では混泳のための簡単な知識と混泳のための熱帯魚紹介をしています。
熱帯魚の混泳に必要な知識とは
まず最初にこれだけは押さえたいポイントを4つまとめました。
熱帯魚混泳の知識①入れる熱帯魚のサイズは統一しよう
せっかく買った水槽だからなんでも入れたいものですが、入れる熱帯魚の大きさはある程度統一しましょう。
おとなしい熱帯魚でも自分より小さな魚はうっかり口に入ってしまう場合があるからです。
また、小さな魚は怖がってしまい、水槽の影に隠れてしまいます。
小型の熱帯魚を選ぶなら、大人の個体が2〜6cmくらいのものだけを選びましょう。
熱帯魚混泳の知識②入れすぎは管理が難しくなるのでやめる
ついやりがちなのですが、たくさんの熱帯魚を入れると水槽の管理が難しくなります。
具体的には以下の2点です。
餌の配分
餌が食べられない熱帯魚が出る可能性があります。
水質管理
食べ残しやフンが増えるのですぐに水が汚れます。
適切な数を飼育することで初心者でも管理しやすい環境を作り出すことができます。
慣れないうちは『たくさん熱帯魚を入れたい』という気持ちをグッと抑えましょう。
熱帯魚を入れる数の目安とは
入れる数は以下を目安にしてください(エビなどを入れる場合は目安から少し減らすこと)
水槽のサイズ | 熱帯魚を入れる数の目安 |
30cmキューブ水槽 | 2~6cmの熱帯魚を5~8匹 |
45cm水槽 | 2~6cmの熱帯魚を10~15匹 |
60cm水槽 | 2~6cmの熱帯魚を10~20匹 |
熱帯魚混泳の知識③隠れ家を用意しよう
最初の部分で少し触れたのですが、大人しいと言われる種類ばかりを入れても必ず成功するとは限りません。
熱帯魚の性格によってはどうしても追いかけ回してしまうものもいます。
こればかりは同じ水槽に入れてみないとわかりません。
そのような熱帯魚と共存させていくには水槽内に隠れ家を作るといいですよ。
具体的には水槽に水草や流木などを入れてあげると良いです。
熱帯魚の様子を確認しながら配置を考えてあげましょう。
熱帯魚混泳の知識④気性の荒い種類・肉食魚などは入れない
混泳を成功させるためには気性の荒い種類や肉食の熱帯魚を入れない方がいいです。
大人しい種類だけを入れても必ず成功するわけではありませんが、混泳が成功させにくい種類はあります。
ですのでまず、入れた方がいい種類より、入れない方がいい種類をしっかり覚えておきましょう。
この後、ペットショップでよく見る、混泳に向いていない種類を紹介します。
熱帯魚の混泳をしてみたい、という方は参考にしてみてください。
あくまで混泳に向いていない種類になります。
ペットショップでよく見かけるということはそれだけ魅力のある熱帯魚ということは覚えておいてくださいね。
混泳に向かない熱帯魚一覧
混泳に向かない熱帯魚①ベタ
ペットショップに必ず展示されているのがこのベタ。
はっきりとした色合いとひらひらとしたヒレが特徴的です。
初心者向けの熱帯魚としてよく紹介されていますが、混泳には不向きです。
ベタは闘魚(とうぎょ)とも呼ばれ、非常に好戦的です。
飼うのであればベタ専用の水槽を立ち上げましょう。
混泳に向かない熱帯魚②スネークヘッド
こちらも初心者向けとして有名な一種ですが、肉食の熱帯魚になります。
小型の熱帯魚と混泳させると食べてしまいます。
大きさも最大で20cmとかなり大きくなりますので、飼育するのであればこちらも単独飼育をした方が良いでしょう。
他の種類のスネークヘッドはもっと大きくなるのでこちらも混泳はできません。
混泳に向かない熱帯魚③スマトラ
綺麗な色合いをしているのでとても魅力的な魚ですがとても荒い性格をしています。
この魚を入れるだけで他の熱帯魚のヒレがボロボロになってしまうこともあります。
初心者向けではない、と思いますが飼育自体は容易なのでペットショップでよく見かけます。
混泳をするのであれば、買ってしまわないように注意しましょう。
混泳に向かない熱帯魚④ゼブラダニオ
(写真はロングフィンのものになります)
ボーダーの柄が涼しい印象を与えるこのゼブラダニオ。
とても丈夫な種類で品種改良種も多く、ファンも多い熱帯魚です。
食欲旺盛で動きがとても素早いため、エサ取りが苦手な種類とは相性があまりよくありません。
また動きが早いことから、荒い性格のものがいると水槽が荒れがちになります。
混泳に向かない熱帯魚⑤シルバーチップテトラ(ハセマニア)
ヒレのポイントが可愛いので結構人気があります。
初心者向けに紹介されていることも多い種類ですが、実は性格がきついところがあります。
可愛い見かけをしていて丈夫なので、つい飼いたいところですが性格の面もよく考慮して飼いましょう。
混泳に向かない熱帯魚⑥エンゼルフィッシュ
(熱帯魚)国産 ミックスエンゼル (エンゼルフィッシュ)(約3cm)<5匹>[生体]
熱帯魚といえばこのエンゼルフィッシュを想像される方も多いのではないでしょうか。
縦に大きくふわふわと特徴的な動きはこの熱帯魚ならではです。
ですがこのエンゼルフィッシュ、意外と大きくなります。
ペットショップでは小さな状態で売られていることがあるので小さい魚だと勘違いしがち。
また頭が良いことから他の小型の熱帯魚をいじめることもあるようです。
混泳に向かない熱帯魚⑦アピストグラマ
繁殖が楽しめる種として有名ですが、強い縄張り意識を持っています。
ですので縄張りに他の熱帯魚が近づいてくると攻撃してしまいます。
ファンの多い熱帯魚ですが、混泳には向いていないと言えるでしょう。
混泳に向かない熱帯魚⑧ブラックテトラ
最近は少し見なくなってきましたが、こちらのブラックテトラも性格が荒いため混泳に向いていません。
間違いやすいのがブラックファントムテトラですが、こちらは比較的温和と言われています。
二本の筋が入るのがブラックテトラです。覚えて起きましょう。
混泳に向かない熱帯魚⑨ラミレジィ
この色合いは本当に美しいと個人的に一押ししています。
しかしながら気性が少し荒め。
低層にいることが多いのでコリドラスなどの底物と混泳する時には注意が必要です。
混泳に向かない熱帯魚⑩ブルーテトラ
ぱっと見はネオンテトラやカージナルテトラとちょっと違うだけに感じますが、気性が荒いです。
飼育スペースなどを調整すれば混泳できる、という情報もありますがトラブルを避けるに越したことはありません。
初心者はやめた方が良いでしょう。
この中にのっていない熱帯魚が気になる場合は、よくリサーチしましょう。
飼う個体にもよるので一概には言えないのですが、少し疑問に思う情報も書かれていたりもします。
複数の情報から総合的に判断しましょう。
混泳に向いている熱帯魚の紹介
最後に混泳に向いている熱帯魚の紹介になります。
別のページにて初心者向け熱帯魚の紹介記事をおり、そこからいくつか抜粋して紹介します。
もしよろしければ『初心者向けオススメ熱帯魚20選! 丈夫で飼いやすく、60cm以下の水槽で買える種類のみ紹介します!』をご覧ください。
混泳向き熱帯魚①ネオンテトラ
全長:4cm
寿命:2〜3年
水温:20〜28℃
水質:弱アルカリから弱酸性まで
熱帯魚といえばこのネオンテトラです。
アクアショップに行って置いていないことはないでしょう。
なんといっても特徴は水色に光る体色。45~60cmの水槽に10匹ほど入れるだけでもかなり映える熱帯魚です。
またアルビノ個体やロングフィン個体など品種改良されたものも多くいます。
人気がある反面、安く売られていることから調子のよくない個体も多いと言われています。
購入する際には同じ水槽に病気を持っている魚(白い点々がくっつくいている・明らかに痩せて元気がないなど)がいないかきちんと確認しましょう。
安く、すぐ綺麗な水槽を作りたい方にオススメです。
混泳向き熱帯魚②グリーンネオンテトラ
(熱帯魚)グリーンネオンテトラ(20匹) 本州・四国限定[生体]
全長:4cm
寿命:2〜3年
水温:20〜28℃
水質:弱アルカリから弱酸性まで
ネオンテトラともカージナルテトラとも異なる光るテトラです。
他の2種との違いは赤みが少ないこと。そして青のラインが頭からしっぽまで走っていること。
そのため水槽により青く、澄んだ印象を与えます。
またカージナルテトラと異なり大きくなりません。
スマートなので魚としても、インテリアとしても、綺麗な状態を保ちやすいと思います。
ネオンテトラのような煌めきとスマートな印象の水槽を作りたい方にオススメです。
混泳向き熱帯魚③プリステラ
全長:4.5cm
寿命:2〜3年
水温:20〜28℃
水質:弱アルカリから弱酸性まで
次に紹介したいのがこのプリステラ。
背びれや尾びれにある黄色・黒・白が特徴的ですね。
今まで紹介したネオンテトラなどと比べる少し地味に見えるかもしれません。
しかし、実際に見るととても綺麗な熱帯魚です。
また泳ぎ方に特徴があり、可愛らしい印象を与えます。
参考までにこんな泳ぎ方をします。
うーん可愛らしい笑
大きく目立つ魚ではないので、派手な熱帯魚と混泳させるとより楽しめるかもしれません。
可愛らしく、丈夫な熱帯魚が欲しい方にオススメです。
混泳向き熱帯魚④グローライトテトラ
全長:4cm
寿命:2〜3年
水温:22〜28℃
水質:中性から弱酸性まで
体の真ん中に一本大きなラインが入るグローライトテトラ。
特徴的な体色をしていますが性格はとても温厚です。
最近ペットショップでもあまり見かけなくなりましたが、丈夫で混泳のしやすい熱帯魚として有名な種類になります。
環境に慣れればラインがより鮮やかになりますよ。
温厚でとにかく飼いやすい熱帯魚が欲しい方にオススメです。
混泳向き熱帯魚⑤ラスボラ・エスペイ
(熱帯魚)ラスボラ・エスペイ(12匹) 本州・四国限定[生体]
全長:4cm
寿命:2〜3年
水温:22〜28℃
水質:中性から弱酸性まで
こちらはコイ科の熱帯魚になります。オレンジの体色に黒のばちが特徴的。
この魚に限らずですが、コイ科の魚は飼い込んで色揚げする楽しみがあります。
ネオンテトラなどは最初から綺麗ですが、ラスボラエスペイは少しずつオレンジ色の部分が増え、綺麗になっていきます。
数年飼うと見事なオレンジ色に仕上がります。
また色合いもオレンジだけでなく黄色に近いもの、中間のものと様々で、単純な濃淡だけでないので選びがいがあります。
購入する際はよく確認してみましょう。
熱帯魚の色揚げを楽しみたい方にオススメです。
混泳向き熱帯魚⑥ミクロラスボラ・ハナビ
全長:3cm
寿命:2〜3年
水温:22〜25℃
水質:弱アルカリ性から弱酸性まで
小型できらめく体表、そしてヒレの綺麗なオレンジ。
ミクロラスボラハナビは小型の熱帯魚の中でも人気の熱帯魚です。
こちらもコイ科の魚になります。なのでこの状態からさらに色が揚がり、まさに花火のような体表になります。
また狙えば繁殖もさせやすく、熱帯魚の魅力を一通り楽しめる熱帯魚です。
ただうちで飼ってもなぜか長生きしない。
決して飼育の難しい種ではありませんが、環境によって大きく異なるのかもしれません。
熱帯魚の楽しみを一通り堪能したい方にオススメです。
混泳向き熱帯魚⑦ゴールデンハニードワーフグラミー
(熱帯魚)ゴールデンハニー・ドワーフグラミー(3匹) 本州・四国限定[生体]
全長:4cm
寿命:2年
水温:23〜28℃
水質:弱アルカリ性から弱酸性まで
通称GHD。女性人気抜群の熱帯魚。
他の熱帯魚に比べると知能が高く、またヒゲを手のように使い愛くるしい仕草を行います。
これがとても可愛い。水槽に1匹だけでも入れることをオススメします。
色の濃いものがオス・薄いものがメスです。
基本的に一匹で買っている時は大人しいのですが繁殖期になるとオスが凶暴になります。
また水面に泡を出して産卵するのですが、産卵後は卵を守るために警戒心が強くなるのでこれまた少し凶暴に。
混泳をさせるのであれば1匹だけ水槽に入れることを強くオススメします。
他の熱帯魚に比べ餌を食べるのも泳ぐのも少し下手です。
飼育する際には水流を抑え、餌が行き渡るよう気をつけましょう。
可愛らしく、ペットらしい熱帯魚を飼いたい方にオススメです。
熱帯魚の混泳まとめ
少し長くなってしまいましたがもう1度4つの秘訣を確認しておきましょう。
入れる熱帯魚のサイズは統一しよう
数の入れすぎは管理が難しくなるのでやめよう
隠れ家を用意しよう
気性の荒い種類・肉食魚などは入れない
特に最後の気性の荒い種類・肉食魚を入れない、というのはとっても大切ですよ。
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ご家庭で熱帯魚を飼いたいあなたに見てもらいたい記事を紹介していますのでぜひご覧ください。
以上、『熱帯魚の混泳を成功させる秘訣を紹介 向いている種類はこれだ』でした。
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